えん下障害
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嚥下障害 のみ込みにくい(誤嚥・むせ)
肺炎は、死因の4位、60歳以上ではそのほとんどが誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎は死因ではなく老衰の一つの形ともいわれますので、これを防ぐことができれば寿命が延びるでしょう。むせて咳に苦しんだ経験を持つ方は多いでしょう。忘れたころではなく、「またむせた」というのは数か月前にもむせたということ、3度目には何か対策をうちましょう。毎月になると「むせ」は気にならなくなり、食事に時間がかかるようになると食が細り、少しずつ元気がなくなり体力もなくなるものです。これを、歳のせいと納得すると危険です。
むせたりしないのだけれど、喉の奥にゴロゴロ痰がらみの声になったら、嚥下の検査を受けましょう。風邪の後のゴロゴロは2週間以上続くことはありません。まずは耳鼻科で相談することです。咽の奥の出来物が飲み込みの邪魔をしているかもしれません。
不顕性誤嚥:咳の出ない誤嚥
普段でものどがごろごろしているのは、唾液を飲み切れていないためかもしれません。唾液は一日1L以上出ていて、意識しなくても飲み込んでいるのですが、実は飲み込みにくいものなので、のどの奥に残りやすいのです。唾液をきちんと飲める人は誤嚥性肺炎にはなりません。
むせて肺炎になることはまれで、誤嚥しても咳がでないとき(不顕性誤嚥といいます)肺炎になるのです。多いのは寝ているときに胃液が逆流し(げっぷ)、それを飲み返さないために気管に入ってしまっておこる肺炎です。寝ているときの姿勢を工夫することと、よく歩くことで防ぐことができます。
嚥下の検査:嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査
70歳以上では約半数に誤嚥(不顕性誤嚥を含む)が起きていたという報告があります。たいていの耳鼻科では内視鏡を鼻からのど上の方まで入れ、色をつけた水や食物をのみ込む様子を見る「嚥下内視鏡検査」をすることができます。しかし誤嚥の量を調べるには「嚥下造影検査」が必要です。レントゲン検査なので、いつでもどこでもというわけにはいきません。
大切なのは、むせたらしっかり痰を出すこと、誤嚥しても肺炎にならない免疫力をつけること、そして誤嚥しても気管に入る細菌が少なくなるように口の中の清潔を保つことです。おでこ体操も役にたちます。